2007年3月 9日 (金)
左腕の猫

愛ルケ(愛の流刑地)観るより、この本を読め!
価格:¥590(税込)
出版社:文藝春秋
著者:藤田宜永
毎週・毎月定期購読している漫画雑誌は無いのですが、ビッグコミックオリジナルの「黄昏流星群(弘兼憲史)」だけはいつも気にして読んでいます。中年男性・中年女性の“私はまだ枯れていない…”的な哀愁が、心に沁みて面白い!(私自身はまだ20代ですのであしからず。)
そしてこの『左腕の猫』は、まさに「黄昏流星群」の世界!6つの短編小説からなる一冊の本で、主人公は50・60代の中年男性。夫婦の問題あり、老いの悲しさあり、深い性描写あり、そして少々のネコあり。この“少々のネコの出番”が全体の“しみじみ具合”を増していて、い~んです。どこか昭和の匂いのする文体を、しみじみと読了。タイトルの『左腕の猫』にいたっては、涙がホロリ。
好き嫌いがはっきり分かれる作品かもしれませんが、私的にはかなり満足の一冊でした。愛ルケ(愛の流刑地)なんかより、ずっと味わい深いかも!
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