2008年1月 7日 (月)
猫町

大詩人のファンタジーを心象写真で
著者:萩原朔太郎+心象写真制作スタッフ
価格:¥1,500(税込)
出版社:KKベストセラーズ
日本文学史に名を残す大詩人の書いたファンタジーが、心象(いめーぢ)写真付きで楽しめる1冊。
本のタイトルから感じるイメージは人それぞれでしょうが、私はヒチコックの映画『鳥』のような、ちょっと怖い不気味な印象を持ちました。実際、詩人が自ら目にする光景への不安定な感覚が作品を通して描かれ、ついに、“猫ばかりが住んでいる町”を目にするクライマックスへ…。そこまでのドキドキ感がたまりません。
とはいえ、猫の住む“魔境”がこと細かに描写されているのでは!?という期待は見事に裏切られました(笑)。作品のテーマはもっと哲学的なものなので、それは当然かもしれませんが。
作品の持つ不思議な世界が心象写真でうまく表現されています。猫の写真も盛り沢山。怪しげな魅力が存分に味わえます。
(ひころち)
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